論文「Coffee, Caffeine, and Health」を読んでみた

 
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先日アップした「コーヒーと健康に関する情報(眼圧)」に引用されていた論文を読んでみました。
論文「Coffee, Caffeine, and Health」は”The new england journal o f medicine”にて発表されました。

まずは、飲み物にどの位のカフェインが含まれているか論文中の表を参照します。

SourceServing Size†Milligrams of Caffeine
Coffee brewed coffee shop12 fluid oz235
Americano coffee shop12 fluid oz150
Coffee Coffeebrewed 8 fluid oz92
Coffee instant8 fluid oz63
Espresso1 fluid oz63
Decaffeinated coffee8 fluid oz2
Black tea brewed8 fluid oz47
Green tea brewed8 fluid oz28
Chamomile or peppermint tea8 fluid oz0
Cola soft drink12 fluid oz32
Energy drink8.5 fluid oz80
Energy shot2 fluid oz200
Dark chocolate1 oz24
Milk chocolate1 oz6
Over-the-counter drug for alertness1 tablet200
Headache medication with caffeine1 tablet65
※fluid oz:1液量オンス(US)=29.5ml

一般的な一度に飲む量にどの位カフェインが含まれているかを表しています。
一番上の行はコーヒーショップのドリップコーヒーで約350ml、マグカップ(スターバックスならトールサイズ)の量で235mgのカフェインを摂取するということです。

タイトルの画像に書かれている内容がほぼこの論文を要約しているので、日本語に翻訳してみます。
図2.臓器系による健康に対するカフェイン摂取の影響
•警戒心が高まるため、精神的なパフォーマンスと警戒心が高まります
•不眠症に寄与し、不安を誘発します(特に高用量および感受性の高い人)
•うつ病のリスクを減らす可能性があります
•頭痛やその他の痛みの原因を治療するためのNSAIDとアセトアミノフェンの効果を増強することができます
•パーキンソン病のリスクを減らす可能性があります

•乳児の未熟児無呼吸の治療に効果的です
•成人の肺機能をわずかに改善します

肝臓
肝線維症、肝硬変、および癌のリスクを軽減する可能性があります

腎臓と尿路
高用量は利尿作用をもたらす可能性がありますが、習慣的な適度な摂取は水分補給状態に実質的に影響を与えません

心臓血管系
短期的には血圧を上昇させますが、習慣的な摂取により少なくとも部分的な耐性が生じます

内分泌系
短期的には骨格筋のインスリン感受性を低下させますが、習慣的な摂取により耐性が発達するようです

生殖システム
胎児の成長を減らし、妊娠喪失(妊娠損失)のリスクを高める可能性があります


さらに、カフェインの半減期は通常2.5〜4.5時間(個人差が大きい)
新生児では、半減期は約80時間
喫煙 はカフェインの代謝を大幅に加速し、半減期を最大50%短縮
経口 避妊薬の使用はカフェインの半減期を2倍にする
以上の記述もあり余す。

最短でも寝る2時間前にカフェインを摂取すると覚醒して眠れなくなることがあるようです。
喫煙者の場合はそれを1時間程度に短縮してしまうということですね。

致命的な血中カフェインレベルは1リットルあたり180 mgです。
時々エナジードリンクの大量服用で死亡したとの記事がでますがこのレベルを超えるにはどのくらいの量を飲むことが必要なのでしょうか。

良い面もありますが、悪い面も併せ持つことが分かっていますので、楽しみ、たしなむことが必要なのではないでしょうか。

美味しいコーヒーを楽しく嗜みましょう。

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