2050年問題の発端となった論文「A bitter cup: climate change profile of global production of Arabica and Robusta coffee」を読んでみた。
※リンクをクリックすればダウンロードできます。
インターネットで「2050年問題」と検索すれば沢山の記事が出てくる。
上記の論文がその警告を発したものだと思う。
ブラジルも気候変動の影響を受けて収穫量が大きく変動しているようだ。
2021年9月15日の食品新聞の記事には
というタイトルで気候変動によるコーヒー価格の上昇に懸念を示している。
※参考資料は「Coffee Market Report July 2021」
(ただし、9月分の資料を見ると、Brazilian Naturalsの2020/21比較で出荷数は+8.4%となっている。)
さて、本論に入っていくことにしよう。
この論文は2005年に発表されたもので、すでに17年も経過していますが、その間の変化については調べていません。
衝撃的なグラフが出てきますが、その前にRCPが一体なんなのか解説しなければなりません。
ちょうどいい解説を見つけたので引用させていただくと、温室効果ガスのレベル分けです。
【用語解説】排出シナリオ/RCPシナリオ排出シナリオ/RCPシナリオとは
- 人間活動に伴う温室効果ガス等の大気中の濃度が、将来どの程度になるかを想定したものを 「排出シナリオ」と呼んでいます。
- この排出シナリオを気候モデルにインプットして将来の気温や降水量などの変化を予測して います。温室効果ガスの濃度変化には不確実性があるため、いくつかの濃度変化のパターンを想定しています。
- 現在では、主にRCP(代表的濃度経路) シナリオと呼ばれる排出シナリオが、国際的に共通して用いられています。
- RCP シナリオには、下図のようにRCP2.6、RCP4.5、RCP6.0、RCP8.5 があります。RCP に続く数値は、その値が大きいほど2100 年までの温室効果ガス排出が多いことを意味し、将来的な気温上昇量が大きくなります。
図 RCP別の21世紀末における現在(1986~2005年平均)からの気温上昇量
- 出典
- IPCC 第5次評価報告書 WG1からみずほ情報総研作成
それでは、論文から表を引用させていただきます。
a:緯度による適合性分布
b:高度による適合性分布
c:地域別の適合性分布
点線:ロブスタ種(canephora)
実線:アラビカ種(arabica)
そうすると、青色のラインの状況だからすでに収穫は減少していることになる。
他にも色々な要因が重なるのだろうが、全体のグラフは現状(黒線)に比べると低くなっているため今後の予測としては、表題の様にコーヒーの耕作可能地と収穫は半減すると言われている。
今後の見通しはより環境に適応し、病気に強い品種を開発して行かなくてはならない。
最悪のシナリオとしては遺伝子操作されたコーヒーが出てくることなので、なんとか自然の環境の中で2050年問題を解決してもらいたい。
私たちが直接できることはほとんど無いが、100年単位で物事を考え、地球と人間が共存できるように過ごしていきたい。
SDGsの考え方には共感を覚えるが、最近はコマーシャリズムに汚染されたSDGsになってきているため鼻白んでしまう。
いつまでもおいしいコーヒーが飲めますように。




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